“二つの顔をもつ真菌”:Candida albicansのメカニズムに迫る
- Yoshiko Omura
- 6月3日
- 読了時間: 2分

Candida albicans(カンジダ・アルビカンス)は、私たちの口腔、腸管、腟などに常在する真菌(酵母型真菌)の一種です。通常は酵母型(球形)で大人しく共生していますが、ストレスやホルモンバランスの乱れ、免疫の低下、抗生物質の影響などをきっかけに「菌糸型」へと形態を変えます。この形態変化(フェノタイプスイッチ)こそが、カンジダの最大の特徴であり、厄介さの根源です。
菌糸型になると、
組織に侵入しやすくなる(バリアを突破)
バイオフィルムを形成し、抗真菌薬に抵抗性を示す
宿主の免疫システムを巧みに回避する
といった病原性を一気に強める特徴が現れます。
さらに、腸のタイトジャンクションに影響を与えてリーキーガットの一因となったり、炎症性サイトカインの誘導により慢性炎症や不定愁訴の原因にもなり得るのです。しかしこのメカニズムを知れば、「なぜカンジダが暴走するのか」「どうすれば予防できるのか」という道筋が見えてきます。
今回の講座では、カンジダと“ちょうどよい距離感”を保つために必要な視点をお届けします。
講座のみどころ
「Candidaと腸の不調:真菌との“ちょうどいい距離感”とは?」
総論から各論へ――
腸の不調とCandidaの関係性(便秘、ガス、皮膚炎、倦怠感など)
形態変化とバイオフィルム:Candidaの生存戦略
暴走を防ぐために重要な「胃酸」「腸内細菌叢」「粘膜バリア」の役割
Candida除菌は本当に必要か?——やりすぎのリスク
Candida以外にも気をつけたい真菌感染症とは?
*特別講座のご案内*
日時: 6/27(金)20:30-21:30
テーマ: 第2回:「真菌と腸内細菌②」
講師: 内科医 安東加恵先生
この講座は通常はマイクロバイオームアカデミー®有料会員向けですが、今回は特別に一般の方もご参加いただけます。
参加費: ¥2,750(税込)
申込み期限: 6/25(水)
アーカイブ: 後日配付予定
[お申込みはこちらから] *マスターズ・ビジネス会員の方はお申込み不要です。
真菌は「悪者」ではなく、「共生すべき存在」です。でも、その付き合い方には知識とバランス感覚が必要。今回の講座では、腸・ホルモン・免疫の関係性に加えて、“現場で使える真菌対策”の視点もお伝えしていきます。
ぜひこの機会にご参加ください。
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