ウイルスを味方につける腸活の新常識
- Yoshiko Omura
- 8月11日
- 読了時間: 3分

ウイルスと腸内細菌の関係を知ることが、腸活に役立つ理由
腸活というと、「善玉菌を増やす」「発酵食品を食べる」など、腸内細菌のことだけを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし最新の研究では、腸内環境を語るうえでウイルスも欠かせない存在であることがわかってきています。
腸内には「味方のウイルス」もいる
腸の中には、バクテリオファージと呼ばれる細菌に感染するウイルスが多数存在します。
ファージは人間の細胞を壊すことはせず、特定の細菌にだけ感染して増殖します。
これにより、
増えすぎた有害細菌の数を減らす
腸内の生態系バランスを保つ
多様な細菌が共存できる環境を作る といった働きが期待できます。
つまり、ウイルスは単なる病原体ではなく、腸のバランス調整役として機能している場合があるのです。
細菌とウイルスは運命共同体
ファージは特定の細菌を宿主として生きているため、腸内細菌の種類や多様性が変化すると、そこに棲むウイルスの種類やバランスも変わります。逆に、ファージが細菌を調整することで、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)全体の構造も変わっていきます。この「細菌とウイルスの双方向の関係」を理解することは、腸活をより効果的に行うためのヒントになります。
感染症との関わり
研究では、腸内環境の乱れがコロナやインフルエンザの重症化、ノロウイルスやロタウイルス感染のリスクにも関わっていることが示されています。腸内の細菌とウイルスのバランスが崩れると、免疫機能が不安定になり、感染症に対する防御力が下がる可能性があるのです。腸内環境を整えることは、細菌だけでなくそこに共存するウイルスの健全な働きを引き出し、免疫を安定させることにもつながります。
新しい腸活の視点
これまでの腸活は「細菌だけを整える」ことに偏りがちでしたが、これからは細菌+ウイルスの両方を視野に入れた腸活が必要です。そのためには、日常の食事・生活習慣で多様な細菌を育て、それに伴って多様なファージが安定して存在できる環境をつくることが大切です。
このような専門的な視点を知ることで、腸活は一段と奥深く、そして効果的になります。
今回の8/22特別講座では、内科医・安東加恵先生が、この「ウイルスと腸内細菌の関係」について、最新の研究と臨床経験を交えて解説します。
特別講座のお知らせ
8/22(金) 20:30〜21:30
テーマ:「ウイルスと腸内細菌」
講師:内科医 安東加恵 先生
参加費:2,750円(非会員)
アーカイブ配付あり
アカデミー会員は無料(毎月のセッションの一部として開催)
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